詐欺被害に何度もあう認知症高齢者は精神的に自宅生活の限界がきている

query_builder 2024/10/22
大人 介護
ブログ画像

『母がセールスマンを家に入れて

何度も騙されて買ってしまうんです

消火器、屋根の修理、壺・・

どうしたらいいですか?』


ケアマネをしていると

家族さんからそんな相談を受けます


親御さんがそんなときは

自宅で生活できていても

精神的には自宅生活の限界がきています


あなたが親を引き取って一緒に暮らすか

施設入所を考えた方がいいかもしれません



私の担当している利用者さんにもおられました

ピンポンで必ず玄関を開け

そこにスーツを着て

ちょっと男前のお兄さんがいると

すぐに家に入れてしまいます


あとで詐欺だったとわかった後も

彼女はこうおっしゃいました

『いい人そうだったんやで』


あまり後悔もしていないようでした


”誰かと話したい

騙されてもいいから繋がりたい ”


彼女からそんな気持ちが伝わってきて

痛々しく感じたのを覚えています


しばらくの間

私は訪問していつもより長く話を聴きました

家族さんも同じように

訪問していつもより長く時間をとってくださいました


でもまた数週間経つと

彼女は同じことをするのです。


デイサービスに行っても

ヘルパーさんと話しても

お寺に行っても

買い物に行っても満たされない


ピンポンが鳴ると同時に

反射的に玄関を開けてしまう


今思うと

精神的に自宅生活が限界だったのかもしれません


まだ十分に自宅生活ができる方だったので

私は当時

施設をお勧めすることはしませんでした


90代でしたから

ご近所の知り合いや友人も亡くなっています


自分で自分を支えるのが

限界にきていたのでしょう



年齢を重ねるごとに

私もその気持ちが

少しわかるようになってきました


若い時は

家族の世話と仕事で忙しく

『いつか自分一人の時間がこんなことしたい』

と思っていました


けれども

年いくごとに

気力体力が低下して

『誰かと一緒に優しい時間を過ごしたいな』

と思うようになりました



もし今あなたが

度重なる親の詐欺被害に悩んでいたら

少しだけ親の気落ちを想像してみてください


  あと何年生きるかわからない高齢の親に

『しっかりして!』と言うことが

どんなに酷かを。


認知症の親の行動は

心からのSOSなのです

----------------------------------------------------------------------

kaigoぴあの教室

住所:大阪府大阪市

電話番号:090-6676-3144

----------------------------------------------------------------------